ある日、会社から自分の住んでいるアパートに帰ってきたときに鍵をなくしていることに気づきました。しかし、どこでなくしたのか一向にわかりませんでした。それというのも、私は普段から財布の中に鍵を入れていて、ドアの鍵を開けるか閉めるか以外に取り出すこともないからです。それなのに、その日帰宅した私の財布の中には鍵がありませんでした。家の中に入ることができず、しかも、管理会社に電話しても営業時間外だったためか、誰も電話に出ませんでした。
途方に暮れて家族に電話してどうしたらいいかアドバイスを求めたところ、いろいろ調べてくれて24時間営業している鍵屋を見つけてもらいました。そこの電話番号を聞いてすぐに連絡しました。担当者から状況の説明を聞かれて説明したところ、訪問してくれるとのことでしたので、アパートの住所を伝えました。30分くらい待っていると、車で担当者が来てくれて、ドアを調べたところ、特殊な鍵ではないみたいだから開けられるとのことでしたので、開錠をお願いしました。
10分くらいで開錠が済み、8000円の代金の支払いをすませた直後に、当時付き合っていた彼女が家にやって来ました。何をしているのか聞かれたので、鍵屋さんにドアを開けてもらったと伝えると、いきなりドアの横の傘立ての中に入っている傘を調べ始めました。そして、彼女が傘を拡げるとチャリンと鍵が落ちました。そのとき私は思い出しました。前日に彼女と電話で話していたときに、今日彼女が料理を作りにくると言ってくれたので、それなら傘に鍵を入れておくよと伝えていたのです。私の方が仕事が早く終わって彼女より先に家についてしまいましたが、それをすっかり忘れていつも財布の中にあると思っていた私は一人焦って鍵屋まで呼んでしまいました。