“結婚をして妻と初めて購入したのが金庫、その金庫は鍵と暗証番号が一致しないと開かない仕組みになっています。
私達夫婦は自営業者、そのため、夜間には売上金をその金庫に保管しておくのですが、私には売上金を使い込んだ前歴があり、妻の信用は全くありません。金庫を購入したのはラブラブだった新婚当時、今は夫婦の関係は冷めきっているのですが、仕事のパートナーとしては妻は不可欠な存在のため、私から離婚を切り出すことはありません。
妻が全くのシロかと聞かれれば、妻はグレー、夫婦はいずれも同額のお小遣い制なのですが、妻が持っているバックはファッションに疎い私でも知っている有名ブランド。
お金の管理は数字に強い妻に任させているのですが、妻のバックは増える一方、可怪しいと思い妻に聞いてはみるのですが、売上金を使い込んだ前歴があると妻には強く言えない。
ある時、ネットオークションで金庫を探していると、金庫にもスペアーキーがあることを知り、私は「ヤラれた!!」。
私の担当は鍵を開けること、妻は暗証番号を入力すること、しかし、妻がスペアーキーを持っていれば、妻は私がいなくても金庫を開けられる。これに気付いた私は、金庫に透明なテープを張り、もし、そのテープが取れていれば私のいない時に妻はスペアーキーで金庫を開けたことになる。
仕事を終え夫婦揃って売上金を金庫に保管したのは深夜1時、翌日は仕事が休みのため、私は友達と酒を飲みに行き家に帰って来たのは明け方の5時。その時に確認したら金庫には透明のテープが付いたまま、その日は妻は買い物、休みの日は干渉をしないのが夫婦のルール、そのため何処に行こうが何をしていようが妻の自由。念の為、妻が出掛けた後に金庫を確認すると「ヤラれた!!」金庫に張っておいた透明のテープは外れていました。
夕方になり帰って来た妻の手には、買い物をしたと思われる紙袋が一杯。
私、「それ何?」
彼女、「休みの日は干渉をしないルールでしょ」
私、「金庫からお金を持って行ってはいないよね?」
彼女、「私が貴方みたいなことするわけないでしょ」
私は金庫に張っておいたテープのことを妻に言うと、「貴方、妻を疑うの!」、妻が逆ギレするのは自分が悪いと分かっている時、しかし、どんなに悪くても決して謝らないのが私の妻。
いくら追求しても妻は非を認めないため、鍵屋さんに来てもらい金庫の鍵を新しいものに変えてもらうと、それからは売上金が勝手に減ることは無くなったのですが、妻の私に対する風当たりは更に強くなりました。”