当時、地元を出て近県の大学へ進学し、4月から一人暮らしをはじめたばかりでした。時期は8月くらいだったと思います。大学近くのわりと古い目のアパートに住んでいました。 とある日に、5月くらいから付き合い始めた彼氏を家に呼びお泊まりデートをしていました。両親以外を部屋に入れたのはこの時が初めてでした。 正直私にはズボラなところがあり、家で一人だともともとトイレの鍵はしめない(扉はしめますが)ほうで、それまではそのアパートの鍵をしめたことがなかったのです。 しかしその日は彼氏がいたことと、夜中に目が覚めてお手洗いへ行ったので少し寝ぼけていたこともあり、あまり深く考えずに鍵をしめました。鍵をしめたのは、おそらく私が入居してからは初めてだったと思います。 普通に用を足し、出ようとしたら、なんと鍵が開きませんでした。閉じ込められてしまったのです…。すぐには事の重大さに気づかず、「うわー開かない、簡易的な鍵だろうし、外から硬貨でも使えば開くかな。」と思い、起こすのは悪いなとも思いつつ携帯で彼氏に電話をしようと思ったら、いつもは肌身離さず持っている携帯を、その日ばかりは鞄に入れっぱなしにしていたことを思い出しました。普段一人だと必ず鞄から出して充電しながら彼氏と電話するのですが、その日は横にいたためその必要がなく、帰ってきてから出さずにいたのです。ここで私は一気にパニックになってしまいました。しかも季節は夏、窓もない。暑がりの私は真っ先に「熱中症になっちゃう!!」と思いました。 幸い、パニックになったことで扉をドンドンと叩いたら、一人暮らし用の1Kでそこまで広くないのもあり彼氏が気づいてくれて、思った通り外から硬貨で開けられたようで、事なきを得ました。 それ以来、何があっても閉じ込められる可能性のある空間(エレベーターなども)に行く時には、携帯が手放せなくなりました。