自宅に不法侵入した話

自宅に不法侵入した話

マイカー通勤していた私は、ある日とんでもなく寝坊をしてしまいました。
その日はゴミ出しの日だったのでゴミをまとめて、でも集積場に出す暇はなく仕方なく会社まで持って行くことに。
今なら「家庭ごみを出すな」と言われますが、その当時はそれほどうるさくなく、また一人暮らしのゴミなのでたいした量でもなかったので「ま、いっか」という感じでした。
急いでいた私は、前日に集めるだけ集めて、口の開いたゴミ袋をクルマの助手席足元に、財布やキーなどを助手席のシートに置いて出発しました。
「まだ急げば間に合う」時間だったので次第に運転は荒くなります。
道路的に法定速度を超える速度が出ない道だったのが幸いでしたが、そういう時に限ってトラブルというのは起きるもので、横道からまわりを見ていないバイクが出てきました。
間一髪、というほど緊迫することも無くクルマは止められたのですが、助手席に置いてあった荷物は全て足元に。
まだ会社には急げば間に合う時間だったので、「落ちたと言ってもクルマの中だし、問題ないだろう」と先を急ぎました。

ギリギリの時間に会社に着いた私は、とりあえず財布だけ持って更衣室に走り、何とか遅刻は免れました。

仕事を終え帰宅したら「あれ?鍵が無い」
一日普通に生活できていたので意識から消えていましたが、そういえば・・・朝ゴミ袋にに持ち全部ぶちまけてた。
嫌な予感はしましたが、一抹の期待を持ってクルマに。
シートの隙間からフロアマットの裏までくまなく探しましたが、嫌な予感は的中していたようです。どこにも見つからなかったのです。

会社まで戻るわけにもいかず、戻ったところでゴミがそのまま置いてあるわけもありません。
大家さんの家も電気が消えて、少々呼んだくらいでは反応がありません。
静かな住宅地のアパートなのでそうそう騒いでいる訳にもいかず、さてどうしたものかとアパートを眺めながら考えました。
ふと、外階段から身を乗り出せば台所の窓に手は届きそうです。
台所の窓は木製の格子が付いているのでいつも施錠はしていません。
もう一度クルマに行き、車載工具を持って窓の格子を剥がしにかかりました。
3本も外せば何とか肩まで入るくらいあいたので、外階段から壁伝いに窓から入ることができました。

いやー木製の格子で本当に良かったと思いました。
はずした格子棒はとりあえず元のようにあてておきましたが、一度抜いた釘は元通りに入る訳はありませんし、アパートを壊した訳ですから大家さんに言わないわけにいかないので翌日きちんと謝罪しました。

部屋は2階だったのですが、窓の下は半地下になっていたので落ちたら3階分落下というスリリングな自宅への侵入劇でした。

今の体の硬さと腹の太さでは考えられない行動です。

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